アルミニウム合金は、その軽量性と耐腐食性から高い評価を受けています。硬質陽極酸化処理技術の適用により、アルミニウム合金の硬度と耐摩耗性はさらに向上し、航空宇宙産業や自動車製造といったハイエンド分野で広く使用されています。しかし、硬質陽極酸化皮膜の品質と性能を正確に評価するには、微細構造の作製が不可欠な重要なステップとなります。
作製の難しさ:アルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜は、基材とは異なる材料特性を持っています。酸化皮膜は硬くて脆いのに対し、アルミニウム合金基材は比較的柔らかいため、この「硬さと柔らかさの組み合わせ」が微細構造の作製において大きな課題となります。作製工程においては、酸化皮膜のひび割れ、剥離、あるいは基材と酸化皮膜の界面の変形やぼやけなどに注意を払う必要があります。これらは微細構造の正確な観察・分析を妨げ、製品の品質判定に影響を与える可能性があります。
以下にサンプルの準備方法の手順を示しますので、ご参照ください。
1⃣ P400微細構造サンドペーパーでサンプルが平らになるまで細かく研磨する
2⃣ POS + 9μm PD-WTダイヤモンド研磨液による微研磨
3⃣ SC + 3μm無水ダイヤモンド研磨液研磨
4⃣ ET + AO-WF無水酸化アルミニウム研磨液研磨